自由をまとう 19-69が表現する革命の記憶
1969年8月。
ウッドストック・フェステバルの大トリを勤めたのは、ジミ・ヘンドリックス。
予定では、深夜のグランドフィナーレとなるはずが、大幅に遅れ朝の9時に。
疲れ果てた観客の身体を皮肉にもとても穏やかな陽射しが包み込み、
同時に荒廃した大地がそこに剥き出しとなった中に、ジミたちは登場しました。
歪んでいくメロディが、どんどん破滅へと進み、爆撃、爆裂弾のようなノイズが振りまかれていくが、やがて一つの流れに収束していく。
ラブ&ピースを掲げた精神へのリスペクト、
集まった人々の反戦等への思い、
ベトナムに行っている人々や仲間たち、
人種差別問題で対立する人々へのメッセージ
それらをパフォーマンスに込めた「Star Spangled Banner(星条旗)」から続く代表曲「Purple Haze」の演奏シーンは、ウッドストックを象徴する場面として語り継がれています。
1960年代から1970年代にかけて西洋社会中心に広がった、既存の社会の価値観やメインストリームに対抗し、独自の思想やライフスタイルを築こうとする文化運動「カウンターカルチャー」。1969年は、まさにこのカウンターカルチャーが最高潮に達した時期です。
そして、ウッドストック・フェスティバルが「愛と平和(Love&Peace)」の象徴として伝説となりました。
そんな時代の空気感を香りで表現し、カウンターカルチャーの精神を現代に甦らせるのが「19−69(ナインティーン・シックスティーナイン)」
カラフルなボトルが印象的なスウェーデン発のカルチャー・コスメティックブランドです。
“BOTTLING COUNTERCULTURE”
ベトナム戦争への抗議運動、公民権運動、LSDや大麻などのドラッグカルチャー、フェミニズム、LGBTQ+の権利運動、、、伝統的な価値観に対する根本的な問い直しが行われた1960~70年代。
創設者であるスウェーデン人アーティストのヨハン・ベルゲンは、そんな激動の時代の空気感を香りで再現し、多様性、自由、そして平和の象徴でもある虹をイメージさせるパッケージにボトリングしました。
19-69の香りは、カウンターカルチャーの象徴的な瞬間を通じて自由と寛容、そしてヨハン自身のリアルな生きざまを詰め込んだ作品なのです。
今この世界には、理不尽なことがたくさんあります。
しかし、そんな中でも人と人を結びつけるモノがあるのだと
発見することができました。
それはファッションや音楽であり、もしくは芸術や香りであるのかもしれません。
byヨハン・ベルゲン
「香りを選ぶことは自己表現の一環であり、そこにルールはない」
そんなカウンターカルチャーの精神が宿る19-69の香りは、単なる香水ではなく、時代や文化、思想を纏うという体験を味わわせてくれます。
それは、60年代の革命的なムーブメントに共鳴し、自由な精神を身につけることと同じ。香りをまとうことで、私たちは過去の文化を現代に引き継ぎ、新しい形で表現することができるのです。
あなたが次に選ぶ香りは、どんな物語を語るのでしょう?
新しい始まりの季節。
自由と革命の記憶を閉じ込めた19-69の香りをまとい、時代を超えた旅に出てみては?
参考文献
ウッドストック1969 岩本太一・編 株式会社河出書房新社
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PURPLE HAZE
ジミ・ヘンドリックスの名曲にちなんだブランドを代表する香り。
癖になるスモーキー・ウッディが、60年代のサイケデリック文化やLSDによる意識拡張のムーブメントを想起させます。
RAINBOW BAR
LAの伝統的なバーからインスパイア。
LGBTQ+文化の象徴であるレインボーフラッグを連想させるネーミングは、
自己表現の自由を祝福する香り。
KASBAH
モロッコのマラケシュからインスパイア。
1960年代のヒッピーたちが精神的自由を求めて旅した足跡をたどる
異国情緒あふれる香り。