見えないもの
~ Le plus important est invisible ~
”大切なものは、目に見えない”
One sees clearly only with the heart.
Anything essential is invisible to the eyes.
”心で見なければものごとはよく見えないってこと。大切なことは目に見えないんだよ。”
フランス作家、サン=テグジュペリが書いた
「星の王子様」に登場する名言です。
「目にみえないもの」については、その他にこのような名言もあります。
芸術の本質は、見えるものをそのまま再現するのではなく、
目に見えないものを見えるようにするものである。
パウル・クレー(Paul Klee, 1879年12月18日 – 1940年6月29日)20世紀のスイスの画家、美術理論家。
目に見えるものは移ろいやすいけれど、目に見えないものは永遠に変わりません。
ヘレン・アダムス・ケラー(Helen Adams Keller、1880年6月27日 – 1968年6月1日)アメリカ合衆国の教育家、社会福祉活動家、著作家
目に ”見えるもの” と ”見えないもの”
私たちの感覚は五感の知覚で成り立っていますが、8割以上、情報は視覚から得ていると言われており、情報を判断するため、色や形、そして文字や数字といったように自然と脳が情報を可視化しようとします。
私たちの情報を支配している視覚。しかしながら、目に見えるものがすべて正しいのでしょうか。
どれほどまでに視覚に騙されているかという例として、ひとつ面白い話があります。
小さい頃によく食べた夏の風物詩、かき氷。
夏祭りや花火大会の屋台で色鮮やかなシロップと氷のマシーンが涼しそうな音を立てている情景が目に浮かびます。ピンクのイチゴ、ブルーのブルーハワイ…何とそれらのシロップ、実は全て同じ味だったというのです。ほとんどのシロップの主成分は果糖ぶどう糖液糖などの甘味料。異なるのは香料と着色料ですので味付けは同じです。
脳は食べ物の「見た目」(視覚)と「におい」(嗅覚)で味を判断するため、ピンクはイチゴと思ってしまうのは脳が引き起こす感覚だそうです。
【星の王子さま サン=テグジュペリ著】
「さようなら」王子さまは言った・・・
「さようなら」キツネが言った。
「じゃあ秘密を教えるよ。とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
いちばんたいせつなことは、目に見えない」
「いちばんたいせつなことは、目に見えない。忘れないでいるために、」
王子さまは繰り返した。
「人間たちは、こういう真理を忘れてしまった」
キツネは言った。
星の王子さま(新潮文庫)より引用
ふと気付けば携帯を見てしまう今日。目に余るほど入ってくる情報。私たちは、目に見えるものを信じ、目に見えるものに頼りがちではないかということにふと気づかされます。
心を落ち着かせ、目を閉じて…
好きな香りをしゅっとひとふき
目に見えないけれど
確かにそこに漂う
“たゆたう香り”に
身をゆだねてみませんか。
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