世界一素敵な香りのする国王
17世紀、フランス。
豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿では、舞踏会や社交イベントが頻繁に開催され、多くの貴族達が思い思いの香水を纏って参加しました。貴族達にとって香水は、身だしなみとしてだけでなく、自身のステータスや個性を表現するために欠かせないアイテムだったのです。
そんな宮殿内の香りに革命を起こしたのが、宮殿の創設者であるルイ14世。香水好きとしても名高い彼のお気に入りは、オレンジの花の香りでした。宮殿内に造らせたオランジュリーは、世界最古・最大級のものとして現代にも継承されています。そんな彼の影響から、それまで主流であった麝香やシベットといった動物性の香りは影をひそめ、植物の香水がもてはやされるようになったのです。
軽やかな香りは後に残りにくいため、毎日香水を変える習慣が生まれ、香りで癒される「パフュームテラピー」という言葉も生まれました。宮廷の貴族達も現代の私たちと同じように、香水を日常生活の一部として楽しんでいたのですね。そして、ルイ14世と、寵姫モンテスパン夫人には「2つの花」というあだ名がつけられたとか。花の香りを好んだ2人が揃うと、まるで花束のように美しい香りが香ったそうです。
そんなルイ14世が国王に即位した1643年に創業したフランス最古のキャンドルメゾン『TRUDON』
後に、王家御用達のメゾンとしてヴェルサイユ宮殿を彩った老舗が、3世紀以上の時を超え、王の香りを現代の私たちに届けます。
フランス絶対王政の象徴的な人物であり「太陽王」の異名をもつルイ14世。
「最も芳しい皇帝」「世界一素敵な香りのする国王」といった香りに関する異名も多く残されています。
彼がインスピレーションの源となった香水が現代でも多くのブランドから発表されていることからも、世界一という称号に相応しい愛香家と呼べるのでしょう。
そんな彼が、専用の温室を作るほど魅了されたオレンジの花。
「愛」や「豊かさ」のシンボルと言われるオレンジの木から生み出される圧倒的なパワーは、活気に満ち、温かさと官能的な輝きを放ちます。そして、その天然素材と調香師アントワーヌ・リーの独創的なアプローチが調和し、現代の私たちを魅了する作品に仕立てられたのが「ABSOLU」なのです。
歴史への敬意、そして調香師への敬慕のもとに生まれた美しき香りに没頭する。
「世界一素敵な香りのする国王」も味わったであろう至福の時間を、ぜひ日常でお愉しみください。