アメリカと香り 香りのサウンドトラック「D.S.&DURGA」
シャネル、ウビガン、ゲラン…
フランスのオートクチュールのクチュリエたちがリードしてきた20世紀前半の香水市場。
香水自体の質はもちろん、パッケージにも凝った香水は、オートクチュールのドレスを買うよりはお手頃であったにせよ、まだまだ高価な贅沢品でした。
そんな中、高価な香水が少量売れるよりは、少しでも多くの人たちに香水を使ってもらいたい、少しでも多くの女性がより美しく魅力的になるよう願いを込めて、スキンケア、メークアップ、ボディケアそしてフレグランスという一連の香粧品を世に送り出したのが、エスティー・ローダー、エリザベス・アーデンなどアメリカ市場の女性美容家たちです。
フランス香水のデリケートなバランスの伝統的調香のスタイルに対して、エネルギッシュで大胆、そして残香性の高い香りは、まるでアメリカの国民性を示しているようでした。
その後、アメリカ香水の勢いは止まらず、ファッションの一部としての香水の地位を確立し、自由に組み合わせる文化が定着すると共に、ライフスタイルの一部として浸透していきます。
そして極め付けが、1994年発売のカルバンクラインの“ck ONE”。
世界初のユニセックスフレグランスは、1分間に20本売れると言われるほど世界中で記録的な売り上げをたたき出しました。男性用、女性用という従来の垣根を超えて、その香りを気に入った人が自由に使用するという文化を定着させ、香水市場に革命を起こしたのです。
“自由の国アメリカ”
そう言われる通り、時代時代で、それまでの枠に捉われない大胆な発想で香水市場を席巻してきたアメリカ香水たち。自分の悦びのために香りを纏うという自由の選択と、香りの民主化とも言うべきムーブメントを起こしてきたアメリカで、近年、目を離せないブランドが『D.S.&DURGA(ディーエスアンドダーガ)』です。
音楽、文学、アート、自然、デザインなど様々なインスピレーションから生み出される独創的なD.S.&DURGAの香りたち。
2010年に発表された「BURNING BARBERSHOP」で、その名を一気に知らしめます。
“床屋さんの火事”の名の通り、シトラスでも、フローラルでもない焦げた香り。まさしくニッチフレグランスと言うべきこの香りに流石のニューヨーカーたちも、度肝を抜かれたことでしょう。瞬く間に入手困難となり、アメリカだけでなくヨーロッパでも人気に火がつきました。
ブルックリンの小さなアトリエからスタートしたブランドが、今や世界中に広がり、NYではブランドショップがオープン。そして近年では、アメリカン航空のファーストクラスのアメニティに採用されるなど、まさにアメリカンドリームと言うべき快進撃が続きます。
そんなD.S.&DURGAから届いた特別な1本が、2022年8月28日(日)よりPHAETON FRAGRANCE HOUSEにて数量限定で登場します。
Studio Juice Dropは、DSが初心に返り、ファクトリーで丁寧にハンドボトリングした特別な作品。
世界中でNYの本店とPHAETON FRAGRANCE HOUSEのみで購入可能な希少限定品です。
何年も研究を重ねたハニーサックル。世界中から厳選されたフレッシュハーブ。そして、誰もが心惹かれる魅惑の香りがベースとなった香りは、大都会を生き抜く力強さと共にどこか哀愁を感じます。
“香りのサウンドトラック”
音楽からのインスパイヤが多大にあるD.S.&DURGAは、時にそう呼ばれます。
個性的でエッジの効いたサウンドにも関わらず、不思議と日常になじみ独自の世界に引き込まれていくD.S.&DURGAの作品たち。
PHAETONでの取り扱い当初から、私たちを魅了して止まないサウンドを、ぜひ肌で体感してください。
参考資料
・香りの百科事典 丸善株式会社 谷田貝光克・編