CARINE ROITFELDというワードローブ
「香水を使用して男性を結婚の罠に落とすことは無効なり」
1770年、イギリス議会が通過させた特別法案により、当時そのような女性には魔女のレッテルが貼られたとか。
古くより、度々異性を誘惑するアイテムとして登場する香水たち。
チュベローズなど催淫作用があるとされる原材料や、五感のうち最も記憶に残るという嗅覚と特性などから、自分自身をより魅力的に魅せ誘惑する役割も果たしてきました。現代でも、その官能的な“媚薬”としての一面を愉しまれている方も多いのではないでしょうか?
そんな、官能的なパワーを宿した香りの筆頭がCARINE ROITFELD(カリーヌ・ロワトフェルド)の香水たちです。
『大胆不敵』
CARINE ROITFELDの香りを表現するのに最適な言葉です。
カリーヌ自身の好みも反映された香りは、フランス香水らしい重厚感のある仕上がり。
軽やかな香りを好む方が多い日本人には、難易度が高いと感じられるかもしれません。
纏った瞬間の圧倒的なパワー。しかし、予算的な制約を一切設けず、調香師のクリエイションが思う存分発揮された香りたちは、ミドルノート、ラストノートと時間を追うごとに品を帯び、私たちの肌の上で開花の時を迎えます。トップノートの大胆さとは裏腹に、肌の体温と馴染んだ濃密な香りはえも言われぬ魅力を授けてくれるのです。
他の人から感じる香水の魅惑的な香り。
これは、ラストノートの与える印象がほとんどです。香水と肌との調和。調香師たちが完全にコントロールしきれないこのラストノートの満ち足りた状態が、香水の真の美しさなのかもしれません。
『香水は服を着て出かける前の最後のジェスチャー。
スタイリングを仕上げるジュエリーのようなもの。』
by Carine Roitfeld
そう考えると、時に大胆な香りを纏うという選択肢も生まれるのではないでしょうか?
ドレスアップした時のジュエリーはもちろん素敵ですが、日常のシンプルな装いにジュエリーをプラスする。それが目に見えないモノであれば、より自由に自分自身を演出できるのです。
パワーあふれる大胆不敵な香りは、時に自信を与え、そしてアナタの予期せぬところで、周囲を魅了する余韻を残すことでしょう。
ファッション界の生きる伝説と言われるミューズの哲学が宿った香りたち。
冬のワードローブに色香を与える、とっておきの魔法です。