香りと記憶
あなたは、”プルースト効果”と
いう言葉を知っていますか?
フランスの小説家マルセル・プルーストが書いた、フランスの原文で3,000ページを超える長編小説『失われた時を求めて』の中で、語り手である主人公がマドレーヌを紅茶に浸したときに、その「香り」が一瞬にして時空を超えて主人公を幼年時代に引き戻します。 そして家族とともに夏のバカンスを過ごした田舎町の情景が鮮明に蘇ります。
この場面に基づいて 「ある特定の香りにより、それに関係する記憶や感情が蘇る」現象のことをプルースト現象と言うようになりました。 よく記憶のフラッシュ・バックということが言われますが、「香り」が引き金になり、フラッシュ・バックを起こすのがプルースト効果です。 なぜ、そんなことが起こるのでしょうか?
少し専門的な話をします。 私たちの五感「視覚」「聴覚」「味覚」「触覚」「嗅覚」の情報は、いくつかの中継点を通り、「大脳新皮質」で処理され、感覚が生じます。 しかし「嗅覚」だけは、もう一つの脳へのルートを持っていて、 それが「大脳辺縁系」へのダイレクトに情報を伝えるルートなのです。
「大脳辺縁系」は食欲などの本能的な行や、喜怒哀楽などの感情を管理する所。 また、この領域にある「海馬」は記憶の形成に、「偏桃体」は情動行動に深く関与します。 さらにその情報は、その付近に位置する「視床下部」さらに「下垂体」まで届きます 「視床下部」は自律神経系や免疫系に、「下垂体」はホルモン系に関与します。
つまり、香りは脳、しかも深いところにある部分に直接作用するので、自律神経、ホルモン分泌、感情や情動行動に影響を与えるのです。 嗅覚に基づく反応が本来、生物にとってとても大事で急を要することが多いため、このような仕組みができたと考えられます。 この特性こそが、香りと脳の記憶を瞬時に結びつけるプルースト効果を生んでいるのです。
そんなプルースト効果のエピソードがブランド名の由来になった、フランス生まれのブランド MADetLEN(マドエレン) ゆったりとした時間がながれる南フランスの小さな村「サン・ジュリアン・デュ・ヴェルドン」で、器〜ポプリ〜箱〜ラベルにいたる細部まで、ひとつひとつ丁寧に手作業で生産されている、独創的なポプリや香水が印象に残るフレグランスブランドです。
印象的なストーリーからインスピレーションを受け、クラフトマンが独自の解釈を加え、 気持ちを込めて生産しているからこそ、真似のできないマドエレンの独創的な世界観が確立されています。 特に、人気が高いのが天然素材で作られたポプリ。 生命力に溢れた自然界のポジティブなエネルギーが感じられるアンバー(琥珀樹脂)のポプリは、高貴な輝きを放ち、 世界各地から厳選された花や木、ハーブやスパイスから抽出した天然素材使用し、生み出された香りは、蓋を開けた瞬間から、空間を彩ります。
香りを楽しみながら、
昔に思いを馳せるのもよし。
思い出に残るような空間を、
香りで作るのもよし。
ゆっくりと紅茶でも飲みながら、
そんな時間を過ごしてみては
いかがでしょうか。